LIXILが開発した、取り外し可能な布製浴槽を備えるシャワールームユニット「bathtope(バストープ)」が話題だ。入浴を避けたりシャワー浴を中心にしたりする人が増えている点に着目。「お風呂はもっと、自由でいい。」をコンセプトに掲げ、ライフスタイルの変化に伴う新たな需要に対応した。2024年11月26日の発売以降、問い合わせが相次いでいる。
バストープの大きさは0.75坪で、内寸が幅120cm×奥行き160cm。一般的な「1216」サイズのユニットバスと同じ規格だ。新築・改修工事を問わずに設置できる。
湯を張る場合は、ユニット内の壁に設けたフックに布製浴槽の四隅を引っ掛けて使う。布製浴槽はPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維と防水性のあるウレタンフィルムの複層で構成し、耐荷重は300kgもある。標準的な湯量は140リットルなので、体重100kgの人が入浴しても問題がない。防水性能や肌触り、入浴感などは繰り返し試験して確かめた。
布製浴槽を使った後の手入れは、風呂用洗剤を付けたスポンジで軽くこすってシャワーで洗い流すだけ。後は壁につるして乾燥させれば済む。
LIXILがバストープの開発を始めたのは21年から。以前からライフスタイルの変化に対応した製品を構想していたが、20年の新型コロナウイルス禍を受けて本腰を入れることにした。水回り・タイルの国内事業が100周年の節目を迎える24年に向けて、新しいコンセプトの製品を打ち出す狙いもあった。
同社が着目したのは入浴習慣の変化だ。22年11月に実施したアンケートでは、「お風呂に入るのが面倒と感じることがある」という回答が65.8%で、「ほぼ毎日湯船につかる」は47.4%と半数を割った。昨今、SNSで話題になった「風呂キャンセル界隈(かいわい)」という言葉に代表されるように、入浴を避けたりシャワー浴を中心にしたりする人が増えている。バストープは、こうしたニーズに真正面から応えることで生まれた製品だ。