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一人親方の業務災害報告を義務化 注文者らに責務 27年1月施行

厚生労働省はこのほど開いた労働政策審議会安全衛生分科会で、一人親方など個人事業者の業務上災害報告制度について審議を行い、「労働安全衛生規則」などの改正省令案を承認した。個人事業者が就業中の事故で死亡または4日以上の休業となった場合に、所轄労働基準監督署(以下、労基署)が情報を把握できるよう、必要事項の報告を義務付ける。改正省令は11月の公布、2027年1月1日の施行を予定している。

親方本人にも報告義務

省令案では、災害発生場所の直近上位の注文者(特定注文者)、あるいは災害発生場所管理事業者に対し、個人事業者の業務上の災害を把握した場合に、遅滞なく労基署に報告することを義務付ける。ただし、被災した個人事業主本人が報告できる状態にある場合は、まず本人が特定注文者や管理事業者に報告を行い、報告を受けた事業者が必要事項を把握した上で労基署に報告する。

一方、中小企業の事業主や役員の災害については、特定注文者などを通さずに所属企業が直接労基署に報告する。脳・心臓疾患・精神障害事案についても、個人事業主および中小企業の事業主・役員の所属会社が直接報告を行うことを可能とする。また報告したことを理由に、個人事業主らに不利益な取扱いをすることも禁じる。

電子申請での報告を原則に

労基署への報告は原則として、同省の入力支援サービスを活用した電子申請で行うが、当面の間は書面による書類提出も認める。報告内容は、①報告者に関する情報(労働保険番号、事業場名、災害発生場所の事業場・工事名、元方事業者など)、②被災者に関する情報(氏名、年齢、性別、職種、経験期間、傷病名、傷病部位など)、③災害に関する情報(発生日時・場所、状況、原因など)、④その他(報告年月日、報告者の職・氏名)。

同報告制度の円滑な実施に向け、厚労省では今後、▽個人事業者に報告義務が生じる具体例▽不利益取扱いの具体例▽報告主体が災害発生の事実を知り得なかった場合の対応▽災害発生場所管理事業者が報告義務を負う災害の範囲▽報告対象とならない災害▽報告書の書式▽個人事業者や報告主体の関係者に対する周知―などについてとりまとめ、通達などで示す考えだ。

(2025/9/22 新建ハウジングWeb)