国土交通省によると2025年度第1四半期(4~6月)における全国の新設住宅着工戸数は前年同期比で25.6%減少した。続く7月も前年同月比9.7%減。4月に全面施行となった「脱炭素大改正」の影響は明らかで、審査期間の長期化も問題になりつつある。
新設住宅着工戸数は、脱炭素大改正の施行直前である2025年3月に駆け込み需要が発生した後、急落。その後の6月分では、減少幅が前年同月比15.6%減に縮小した。この推移から、前年同月比のグラフが大きなかぎ爪のような形になった。最新の7月分は前年同月比9.7%減となり、落ち込み分を回復できない状況が続いている。
7月単月では6万1409戸。季節調整済年率換算値は71万2000戸となり、回復傾向にあるとはいえ、24年度の実績約81万6000戸を大きく下回る水準だ。経済の下押し要因となることが懸念される他、資材流通などにも影響する可能性がある。
前年同月比の時系列推移を利用関係別で見ても、乱高下の傾向に大きな違いはなく、混乱が広範囲に広がっていたことが分かる。第1四半期に限って見ても、持ち家(注文住宅)が前年同期比23.4%減となった他、貸家、分譲住宅とも減少幅は軒並み同20%超の減少となった。
(2026/9/16 日経XTECH)