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「法定相続人が全員相続を放棄した」倒壊のおそれがある危険な空き家の門を公費で解体

「法定相続人が全員相続を放棄した」倒壊のおそれがある危険な空き家の門を公費で解体 略式代執行【岡山・里庄町】© RSK山陽放送

倒壊のおそれがある危険な空き家の門を公費で解体する略式代執行が岡山県里庄町で行われました。

老朽化により傾いた空き家の門です。

今年7月に「特定空家等」に認定されていた

きょう午後、里庄町新庄で略式代執行による解体が行われました。倒壊による人的被害の危険性が高いため、今年7月に「特定空家等」に認定されていました。

(開始宣言)

「ここに略式代執行の開始を宣言し、里庄町が当該付属建築物の除却措置に着手します」

法定相続人が全員相続を放棄

本来は所有者に安全対策の指導を行いますが、法定相続人が全員相続を放棄していて、所有者がいない状態になり、町民の安全確保のため略式代執行による解体となりました。

(里庄町まち整備課 鈴木達也課長)

「門を解体して危険は無くなったとはいえ、建物自体も古い建物ではありますので、今後も状況を注視しながら対応のほうを行っていきたいと考えております」

解体費用は?

解体費用は約60万円で、里庄町は今後所有者などが新たに現われた際に請求したいとしています。

(2026/10/15 RSK山陽放送)

住宅地にある謎の「円道」――なぜわざわざ行き止まりに? その正体とは

生活道路の安全守るクルドサック

 2026年2月、警察庁交通局から「令和7年における交通事故の発生状況等について」が発表された。その中の「状態別死者数の推移(全年齢)」を見ると、2025年の交通事故死者数2547人のうち、「歩行中」が890人と最も多く、全体の34.9%を占めていた。65歳以上に限っても、「歩行中」が43.7%(622人)と最も多い結果となった。

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 歩行者事故による死亡や重傷は、働き手の減少や医療・介護費用の増加につながり、社会全体に大きな負担をもたらす。特に注目したいのは、75歳以上の高齢運転者による死亡事故のうち、「操作不適」が占める割合が75歳未満の約3.1倍に達している点だ。

 さらに、幅員5.5m未満の生活道路では、死傷する危険が幹線道路の約1.8倍に高まる。目的地を持たず住宅地へ入り込む通過交通は、自身の移動時間を短くする一方で、事故の危険を住民に負わせている。

 こうした住宅地の外から持ち込まれる被害の危険を抑えるため、警察庁と国土交通省は、生活道路での自動車の速度や通過交通の進入を抑え、人を優先して安全を守る「ゾーン30プラス」の整備を進めている。クルマの進入を物理的に抑える施策は、通過交通によって住民が負ってきた事故被害の負担を減らし、本来の住環境が持つ価値を守るための取り組みといえる。

通過交通を物理遮断する道路構造

 
交通事故発生状況の推移(状態別死者数)。「令和7年における交通事故の発生状況等について」より(画像:警察庁)

 一方、住宅地の道の造りに目を向けると、通過交通を抑える手法のひとつとして

「クルドサック」

がある。東京都板橋区の常盤台などにも取り入れられている形で、住宅地の奥までクルマが入れる一方、その先へは通り抜けられない造りが特徴だ。

 通り抜けを目的とする車両は、移動時間を短くできる一方で、住宅地内の安全という価値を費用を負担せずに利用している。クルドサックの設置には、限られた道路を使う権利を無差別に通過する車両から居住者や必要な業務車両へ戻し、道路の使い方を整える狙いがある。

 近年はETC2.0などのデータを活用し、速度超過地点や通過交通の流入経路を見えるようにすることで、対策をより科学的に進められるようになった。また、外国人運転者による事故が増えるなか、言葉に頼る道路標識よりも、見た目で直感的に速度を落とさせる物理的な構造のほうが、誰に対しても確実に働きかけられる。

 では、クルドサックはなぜ歩行者の安全を高めることにつながるのだろうか。

通り抜け防止による歩行者の安全

 
道路(画像:写真AC)

 クルドサックとは、フランス語で「袋小路」を意味し、道路の一端を行き止まりにした構造を指す。行き止まりの部分をロータリー状などにして、クルマが方向転換できるようにした形もある。

 一般的な道路では、目的地へ向かうクルマだけでなく、別の道路へ抜けるための通過交通も入り込む。これに対してクルドサックは通り抜けられないため、住宅地を抜け道として使うクルマの進入を抑えやすい。

 ここで重要なのは、クルマそのものを住宅地から締め出すわけではないという点だ。居住者や来訪者など、そこに用事があるクルマは入れる一方、通り過ぎるだけのクルマは入りにくい。通過交通を抑えることで、先端の転回広場をクルマに脅かされにくい遊び場や交流の場として使えるようになり、良好な地域のつながりを育む効果も生まれる。

 土地を開発する側から見れば、クルマを回す広場を確保するために道路の面積が増え、販売できる宅地が減るため、短期的な開発費用は大きくなる。しかし、通過交通の侵入を防ぎ、騒音や事故の危険を抑える取り組みは、分譲地に独自の価値を持たせる。

 その結果、住宅地内の交通量を抑え、歩行者とクルマが交わる機会を減らす効果が見込める。特に子どもや高齢者は、とっさの判断や素早い回避が難しく、交通事故の影響を受けやすい。クルマの通過を抑えた環境は、こうした歩行者が安心して歩ける空間づくりにつながる。

 先述した東京都板橋区の常盤台は、昭和初期に小宮賢一氏によって構想された。意図的に曲げた道路やロードベイ、住宅地内のクルドサックに加え、人が歩ける「フットパス」などを組み合わせた造りが見られる。土地の利用効率が落ちるという短期的な損失に対し、安全を守ることで住宅地全体の資産価値を高め、長期的な価格の維持によって投資を回収する仕組みだ。

サービス車両負担と避難路の課題

 
クルドサックの仕組み(画像:三井住友トラスト不動産)

 クルドサックの利点は、交通安全だけにとどまらない。通過するクルマが減れば、住宅地内を走るクルマの台数も抑えられるため、エンジン音やタイヤ音など、交通にともなう騒音を和らげられる。

 また、外部から入ってくるクルマが限られることで、道路を使うクルマの動きを把握しやすくなる面もある。行き止まりの道は外部からの侵入を目立たせやすく、住民による自然な見守りも働きやすいため、防犯面でもよい影響が期待できる。

 とはいえ、クルドサックを設ければ必ず防犯性や安全性が高まるわけではない。道路の幅や見通し、住宅の配置、歩行者の動線などによって環境は変わるため、道路全体の造りとして考える必要がある。

 さらに、道路のつながりが断たれることには注意が必要だ。路線バスなど公共交通のルート確保に制約が生じる場合があるほか、歩行者や自転車が別の道路へ抜けられる道がなければ、移動しにくくなることも考えられる。

 加えて、物流やインフラ事業などのサービス車両への負担が増すことにも目を向けなければならない。通り抜けのできない構造は、戸別配送を行う宅配便やゴミ収集車に旋回や迂回を求める。これは作業時間の増加や走行距離の伸びにつながり、事業者の運行費用を押し上げる要因となる。住環境の快適さを高める一方で、訪問する事業者の負担を増やすという問題も生じる。

 この問題への対応策として、大阪府堺市北花田町の事例がある。ここでは外径半径4.9m、中央のゼブラ部分直径2.3mという具体的な寸法の回転スペースが整備された。これにより、行き止まりの安全性を保ちながら、宅配便などのサービス車両が円滑に向きを変えられる空間を確保している。

 そして、造りによっては、火災や震災などの災害時に唯一の出入口が塞がれ、住民が孤立する一方向避難の危険も生じる。そのため、車両は行き止まりとする一方で、歩行者専用路やフットパスを設けるなど、歩行者や自転車が隣の道路へ抜けられる二方向の避難経路を確保しておくことも重要になる。

法規制と物理構造による安全対策

 
道路交通事故による交通事故発生件数、死者数、負傷者数及び重傷者数の推移。「令和8年版交通安全白書」より(画像:内閣府)

 内閣府の「令和8年版交通安全白書」によると、2025年の交通事故発生件数は28万7023件、死者数は2547人、重傷者数は2万7563人となった。交通事故による死者数が減少傾向にある一方、道路環境の安全性を高める取り組みは引き続き大きな課題といえる。年間28万件を超える事故によって生じる医療費や人的損害は、社会全体に大きな費用負担をもたらしている。

 こうした背景もあってか、2026年9月1日からは、中央線や車両通行帯がない生活道路を対象に、自動車の法定速度が60km/hから原則30km/hに引き下げられた。一方、中央線がある道路や物理的に分離された道路では、引き続き60km/hが維持される。

 移動のための道路と生活のための道路が、より明確に分けられた形だ。スマートフォンの使用による死亡事故率が不使用時の約3.4倍に達するなど、注意が散漫になりやすい現代において、30km/hを守ることは欠かせない(※道路標識などによって最高速度が指定されている場合は、その指定速度が適用される)。

 法定速度の引き下げは、初期費用を低く抑えながら広い地域へ導入できる一方、警察による取締りや周知などの費用が継続して発生する。これに対してクルドサックなどの物理的な構造は、整備に費用がかかるものの、道の形そのものによって24時間にわたり進入や速度を抑えられるため、継続的な監視費用をほとんど必要としない利点がある。

 行政が規則によって広い地域の安全を低い費用で確保する一方、事故の危険が高い場所には物理的な構造を導入して重点的に費用をかける。この組み合わせが、費用を抑えながら交通安全を高める施策となる。

 クルドサックは、行き止まりの道をつくることにとどまらない。幹線道路では車の移動を優先し、生活道路は「通る場所」ではなく「居る場所」として安全を最優先にするという、道路の役割分担を進める有効な手法だ。

 継続的な費用がかかる規則の見直しと、人のミスを許容して事故を防ぐ道の造りを組み合わせるやり方は、限られた行政予算で社会全体の損失を減らす現実的な方法として、今後の分譲地や住宅地でも導入が進んでいくだろう。

(2026/10/13 Merkmal 小鳥聖夏)

 

改正建築士法の施行政令が閣議決定 27年4月施行へ

政府は10月6日、「建築士法の一部を改正する法律」(令和8年法律第74号、7月31日公布)のうち、契約の適正化を図るための規定の施行期日を2027年4月1日とする政令を閣議決定した。

これにより、建築士が行う設計・工事監理における契約書の相互交付義務対象の拡大や見積書作成の努力義務化に向けた整備が進められる。政令の公布は10月9日。

化を図るため、建築士事務所の開設者が設計などの業務に係る契約を締結する場合に、報酬の算定の根拠を明らかにするための見積書を作成することが努力義務化される。設計受託契約および工事監理受託契約の書面相互交付義務化については、現行では延べ面積300㎡超の建築物の新築などを対象としているが、建築物の規模を問わず、建築士が行うすべての契約に拡大される。

また契約の透明化を図るため、建築士事務所の開設者が設計などの業務に係る契約を締結する場合に、報酬の算定の根拠を明らかにするための見積書を作成することが努力義務化される。

設計・工事監理受託契約を締結する際に、見積書の内容や契約に係る事情を考慮し、委託内容に応じた適正な代金で契約を締結することも努力義務となる。

なお、7月に公布された改正建築士法では、一級・二級建築士などの試験受験資格や実務要件などが緩和されることが決まったが、これらについては今回の政令の対象には含まれない。

(2026/10/7 新建ハウジングWeb)

空き家が突然倒壊し道路をふさぐ

 
空き家が突然倒壊し道路をふさぐ 住民は以前から区役所に何度も相談 なぜ倒壊は防げなかったのか…空き家対策の課題とは

 大阪市生野区の住宅街で空き家が4日に倒壊し、がれきで道路の通行が制限され、近隣住民が困惑しています。

(近隣住民)
 「すごい音よ。ガタガタガタっていって。普通の音じゃなかった。一気に落ちてるから」

 (報告・切通大雅 記者)
 「生野区内の住宅街です。こちら道路を塞ぐように家屋が倒壊しています。上を見ると、がれきが今にも落ちてきそうな状態です。さらに中に家具が残されていて、室外機もぶら下がっている状態になっています」

 生野区の細い路地を入った住宅街。4日、日曜日に倒壊した家屋は空き家で、市は、がれきでふさがれた道路の通行を制限しています。

 これは、4年前に撮影された画像。短い緑のひさしが付いているのが、今回倒壊した家屋です。一見すると、すぐに崩れそうには見えませんが…。

 Q.何年前から人が住んでいない?
 (近隣住民)
 「もう10年以上になる」
 「屋根がなかった、全部とれて。雨が降ると全部下に来る」

 事態が大きく動いたのは、倒壊する3日前の10月1日のことでした。

 (近隣住民)
 「すごく雨が降った時にまだ立ってて、屋根が真ん中に落ちるような感じで、119番に連絡して、そこから人が来たが、中が崩れていて、外が崩れていないので対応できませんと」

 住民は、数か月前から区役所に複数回相談するなどしてきましたが、対応は現地での調査などに留まり、4日の倒壊へとつながってしまいました。

 倒壊した家屋の両隣に住む住民は、困惑の色を隠せません。

 (近隣住民)
 「(警察は)よそへ行っておいてと言うけど、どこに行くのよ」
 「警察は絶対(自宅に)入ったらあかんと」
 「入ったらあかんと言っても、行くとこなかったら仕方ないやん」
 「ほんまになぁ、腹が立って…役所は大したことない」

 市は、強制撤去などが出来ないか検討しているということです。

(2026/10/6 読売テレビ)

能登地震、耐震改修を行った木造住宅は倒壊ゼロ

国土交通省国土技術政策総合研究所と建築研究所はこのほど、能登半島地震における建築物被害の調査結果をまとめた報告書を公表した。2024年の地震では、耐震改修を実施した木造住宅38棟で倒壊事例が確認されなかった。報告書は、「耐震改修が木造住宅の耐震性能向上に有効であることを裏付ける実証的知見が得られた」と評価している。

報告書によると、同じ能登地域でも2007年は全壊・倒壊・崩壊が456棟だった一方、2024年は1501棟と大幅に増加。いずれの地震においても旧耐震基準で建設された木造住宅の被害が多い。実際、2024年の地震では全壊以上の被害棟数が2007年の約2倍に増加している。

また、1981年以降に建設された新耐震基準の住宅でも倒壊事例はみられたが、多くは1階を車庫や倉庫とした大開口型の建物だった。壁量不足や壁配置の偏りなど構造計画上の課題が共通しており、報告書は、新耐震基準の住宅であっても建物形状によっては被害リスクが高まると指摘した。

少数にとどまったものの、2000年基準の住宅で全壊した事例も存在する。ただし、被害が大きかった住宅では、大開口や不整形な平面計画、増改築部分との不連続などの要因が確認された。

長期優良住宅19棟と住宅性能評価書(建設または設計)を取得した住宅44棟の調査では、大半が無被害。被害が確認された住宅でも一部損壊にとどまり、構造躯体の重大な損傷は確認されなかった。

(2026/9/29  新建ハウジングWeb)

マンション大規模修繕で談合、計42社の独禁法違反認定

 関東のマンション管理組合が発注する大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は28日、設計コンサルタント会社2社と修繕工事会社40社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、うち38社に再発防止を求める排除措置命令を出した。併せて、工事を受注した修繕工事会社には計16億3788万円の課徴金納付を命じた。

 
公正取引委員会© 読売新聞

 マンションの大規模修繕工事を巡り、公取委が行政処分を科すのは初めて。談合の対象となったマンションは、関東1都6県で171件に上る。住民の信任を得て業者選定の支援を行う設計コンサル会社が工事会社と癒着することで、工事費用がつり上がり、住民側の負担が増すという構図になっていた。公取委は住民が確認できるよう、対象のマンション工事をホームページで公開した。

 排除措置命令を受けたのは、設計コンサルの「翔設計」(東京)や「リノシスコーポレーション」(大阪)の2社と、修繕工事会社は「長谷工リフォーム」「シミズ・ビルライフケア」(いずれも東京)「伊勝」「富士防」(いずれも神奈川)など36社の計38社。既に解散したり、吸収合併されたりした3社と、課徴金減免制度(リーニエンシー)で不正を申告したYKKAPラクシー(千葉)は免れた。

 発表によると、各社は2021年秋頃~25年3月、マンション管理組合が発注する大規模修繕工事で、事前に相談して工事の受注会社などを決めていた。設計コンサル2社は、工事会社側と相談して受注業者を決め、工事の予定価格にあたる「設計予算」を教えたり、談合に加わっていない業者の見積もり価格を伝えたりしていたという。

(2026/9/28 読売新聞)

学生が夢中になる「ドボク模型」、災害が相次ぐ今こそ注目

 本日2026年9月25日は、中秋の名月。旧暦では、秋の折り返しに当たる。涼しくなり、「読書の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」といったように、様々なことを楽しむ季節が到来した。そこで今年は一風変わった「模型の秋」をお薦めしたい。

災害のメカニズムなどを再現する「ドボク模型」を作製する学生(写真:日経クロステック)

 26年の夏を振り返ると、熊本地震や千葉豪雨など、多くの死者を出す痛ましい災害が相次いだ。秋になっても各地で豪雨災害が頻発しており、異常気象がもはや異常ではなくなってきた。市民の防災意識を今までよりも高める必要がある。

 地震や豪雨によるインフラの破損、インフラの老朽化──。こうした現象のメカニズムを理解しておくことは、被害を抑える上で重要となる。ただし、専門的な内容が多く、一般の人にとってはなかなかイメージしにくい。

 そこで筆者が注目しているのが、防災教育やインフラの効果を理解してもらうことの裾野を広げる手段である「ドボク模型」だ。

 ドボク模型とは、いわゆる100円ショップやホームセンターで購入できる材料を使って制作する模型のこと。土木構造物を単に模型で再現するだけでなく、模型の一部を動かして災害・劣化現象や効果までを表すことで、現象を直感的に理解できるようになる。

「ドボク模型」の学生大会が開催間近

 このドボク模型を使って、土木の面白さなどをいかに分かりやすく伝えられるかを競う大会「ドボク模型グランプリ2026」が、26年9月30日に東京国際フォーラムで開催される。

 本選では、北は室蘭工業大学から南は鹿児島工業高等専門学校まで、全国各地から12チームの学生が集まる。土木系学科の学生に加え、機械系や教育系の学科の学生など、専門分野は様々だ。中には、お菓子を模型の材料に使うユニークなチームも登場する。

 筆者は事前取材として、本選に参加する学生たちに話を聞いた。

「土木に関する話題は自分たちの生活にとても身近だが、分かりにくいものが多い。ドボク模型は、災害のメカニズムなどを考える入り口になる。自分たちの模型をより多くの人に見てほしい」(室蘭工業大学大学院修士2年生)

「模型部に所属していたことをきっかけに大会への参加を決めた。普段制作しているプラモデルなどと異なり、実際に動きがある模型を作るのは難しかったが、土木の現象を学ぶ貴重な機会になった」(鹿児島工業高等専門学校4年生)

 どの学生も、ドボク模型の話になると声を弾ませた。正直、筆者自身、これまで模型を作った経験はなかった。それでも、「深夜まで夢中になって取り組んだ」と語る学生たちの楽しそうな姿を見て、模型への興味が膨らんできた。

 災害や老朽化の問題は、メディアなどで目にする機会は多いものの、「なぜ起こったのか」「なぜ防げないのか」に考えを巡らせることはなかなか難しい。ドボク模型はそれを、可能にするツールだと思っている。加えて、模型に使う材料は遊び心にあふれており、模型で再現するテーマを身近にする効果もある。学生たちの知恵と工夫が詰まった「ドボク模型」を、会場で楽しんでもらいたい。

 なお、どうしても来場できない場合、当日リアル配信をするので視聴で楽しむのもお薦めだ(https://www.youtube.com/live/W-NiG81hggM)。

(2026/9/25  日経XTECH)