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クレーンの吊り荷付近の安全をGNSSとAIで確保、熊谷組が開発

熊谷組が開発したシステムの機器構成。クレーンの吊り荷付近の安全を確保する(写真:熊谷組)
熊谷組が開発したシステムの機器構成。クレーンの吊り荷付近の安全を確保する(写真:熊谷組
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 熊谷組は、GNSS全球測位衛星システム)とAI(人工知能)を活用し、稼働しているクレーンの吊り荷に人が接近し過ぎると他の工事関係者に危険を知らせるシステムを開発した。任意の既存クレーンに取り付け可能で、ICT(情報通信技術)の導入によって労災防止を強化する。リニア中央新幹線関連の工事に導入して効果を確認した。

 

GNSSWebカメラを併用
■GNSSとWebカメラを併用
吊り荷の位置はクレーンのブームに取り付けたGNSS全球測位衛星システム)デバイスで、現場にいる人の位置はWebカメラで、それぞれ把握する(出所:熊谷組
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 開発したシステムでは、Webカメラで捉えた人の位置と、GNSSで得た吊り荷の位置情報を、「鳥瞰(ちょうかん)図」として融合させる。Webカメラに映った人と人以外のものとを区別するのにAIを用いる。

 

■遠隔でも危険を把握
■遠隔でも危険を把握
クレーンの吊り荷に人が接近し過ぎると、他の場所にいる工事関係者が持っている端末などで危険を把握できる(出所:熊谷組
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 鳥瞰図上で吊り荷付近の「危険領域」内に人が侵入すると、システムに組み込んだLEDフラッシュライトの発光による警報装置が作動して、他の工事関係者に危険を知らせる。システムを管理するパソコンや工事関係者の持つスマートフォンなどの画面にも「近接検知」と表示して注意喚起する。

(2024/4/5 日経XTECH)