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新築戸建ての76%に不具合、指摘は横ばい続く―さくら事務所

個人向けのホームインスペクションなどを手がけるさくら事務所(東京都渋谷区)は、2024年に実施した新築戸建て完成検査1156件における不具合指摘率の集計結果を公表した。主要な部位で何らかの不具合が指摘された住宅は全体の76.4%。17~21年の集計結果と比較しても指摘率はほぼ横ばいで、依然として高い割合となった。

指摘された不具合の例。玄関ドアの丁番でビスが1本不足

不具合指摘率が最も高かった部位は開口部(窓・ドアなど)の44.6%。ドアの建て付け不良やサッシビス入れ忘れなどの事象が確認されている。その他、外壁仕上げ(ひび割れやシーリング材の隙間)の28.7%、基礎床下面(コンクリートのひびや断熱不良)の31.6%などが上位に。その他、屋根裏や床下のように目が届きにくい部位でも、断熱材の施工不良や梁・桁のずれなど、平均して15%前後の不具合が発覚している。

部位別の不具合指摘率

同社は、高い不具合率が続く背景に人手不足や施工管理体制のぜい弱さがあると推測。ヒューマンエラーに起因する施工不良が多くを占めるものの、現場のDXも進まず、現場監督だけでは施工品質を担保できない状況が続いていると見ている。

また対策としては、①工期に余裕を持たせる ②(施主が)自ら現場に足を運び施工状況を確認する ③施工会社の社内検査体制を事前に把握する ④ホームインスペクション(住宅診断)の活用――の4点を挙げた。

(2025/7/18 新建ハウジングWeb)