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建築確認受けた商用初「3Dプリンター施工店舗」、セレンディクスが約23時間で完成

 セレンディクス(兵庫県西宮市)は2023年6月20日、同年5月末に長野県佐久市で、商用初となる「3Dプリンター施工店舗」が完成したと発表した。施工時間は22時間52分で、セレンディクスが公言している24時間以内の施工をクリアした。

長野県佐久市で完成した、商用初となる「3Dプリンター施工店舗」(写真:セレンディクス)
長野県佐久市で完成した、商用初となる「3Dプリンター施工店舗」(写真:セレンディクス)
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 22年10月に一般販売を開始したセレンディクスの3Dプリンターによる建築物「serendix 10」(スフィア10m2モデル)は、初回販売した6棟が即完売した。本体販売価格(税込み)は330万円。

 今回竣工した店舗は6棟のうちの最初の1棟で、カスケード東京(東京・港)が購入したものだ。セレンディクス初の竣工事例である。同時に、商用初の3Dプリンター施工店舗でもある。なお、2棟目は岡山県で施工を予定している。

 serendix 10は佐久市内の都市計画区域内に建てるため、確認申請をして確認済み証を取得。3Dプリンターで出力した型枠内部に鉄筋を配し、コンクリートを充填する鉄筋コンクリート造とした。施工はナベジュウ(群馬県太田市)が手掛けた。

 以下、写真で施工の流れを見ていく。

施工の流れ。構造体の下部を設置(写真:セレンディクス)
施工の流れ。構造体の下部を設置(写真:セレンディクス)
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構造体の上部をクレーンで持ち上げて下部と接続(写真:セレンディクス)
構造体の上部をクレーンで持ち上げて下部と接続(写真:セレンディクス)
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構造体の内部に鉄筋を配置(写真:セレンディクス)
構造体の内部に鉄筋を配置(写真:セレンディクス)
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鉄筋部分にコンクリートを流し込む(写真:セレンディクス)
鉄筋部分にコンクリートを流し込む(写真:セレンディクス)
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構造体の屋根部分をクレーンで持ち上げる(写真:セレンディクス)
構造体の屋根部分をクレーンで持ち上げる(写真:セレンディクス)
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屋根に相当する頂部を接続して構造体が完成(写真:セレンディクス)
屋根に相当する頂部を接続して構造体が完成(写真:セレンディクス)
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 カスケード東京は介護や整骨鍼灸(はり・きゅう)、リラクセーション事業を手掛けており、完成したserendix 10を整骨院の個人施術スペースとして使用する予定だ。同社の篠原興道社長は、3Dプリンターで建設した個室の建物で、先進的なトレーニングや非日常のリラクセーション体験を提供したいとしている。現在は内装工事を進めており、23年夏ごろから店舗として利用し始める予定である。

10m<sup>2</sup>の内部スペースを整骨院の個人施術室として利用する計画(写真:セレンディクス)
10m2の内部スペースを整骨院の個人施術室として利用する計画(写真:セレンディクス)
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(2023/6/26  日経XTECH)