大林組は、鉄骨造の梁(はり)や柱にロックウールを自動で施工する「耐火被覆吹き付けロボット」の新型機を開発した。既に同社が手掛ける東京都内の建設現場に導入している。2024年1月29日に発表した。同社は19年に初号機を開発しており、30階建てのビルなど4件の建築工事の現場で実績を積んできた。現場で得た知見を基に初号機へ改良を加えたのが今回の新型機だ。
新型機の構成や自律走行機能は初号機と同じ。ロボットは走行装置や制御軸数が6軸のロボットアームなどから成る。事前に作業データを登録すれば、データを基に現場内を自律走行して自ら作業をこなす。
改良した点は主に2つある。自律走行の精度とロボットの小型・軽量化だ。
自律走行の精度を高めるため、ロボットの停止位置を決める際に「後方交会法」と呼ばれる測量法を新たに採用した。基準となるターゲットを2カ所設置し、ロボットに搭載した計測ユニットでターゲットを観測してロボットの停止位置を算出する。計測ユニットはレーザー距離計とカメラ、回転台で構成する。