WOODY調査士の情報通

登記・測量、住宅、不動産の情報をかき集めています。

「ガーラ湯沢スキー場」の一部、湯沢町と十日町市が境界線争い…「課税権」影響

 温泉やスキーの街として知られる新潟県湯沢町が、隣の十日町市を相手に境界線の修正などを求めた訴訟の判決が5日、新潟地裁で言い渡される。自治体の境界線を巡る協議が訴訟に発展するのは異例で、町の主張が認められれば、両市町にまたがる「ガーラ湯沢スキー場」がほぼすべて町に入り、固定資産税の課税権も町側に移ることになる。

 音楽イベント「フジロック・フェスティバル」の舞台でもある湯沢町と日本三大峡谷「清津峡」がある十日町市は、県内有数の観光地として首都圏などから観光客を集めている。

 境界線を巡る協議は、ダムの建設計画を受けて1990年から断続的に行われてきた。しかし建設計画は中止となり、協議も結論に至らなかった。湯沢町から間に立つよう求められた県も「調停に適さない」との判断を下したため、町は2020年に提訴した。

 町は、明治時代の絵図などを根拠に境界の修正と画定を要求。これに対し市側は、関係町村が以前、国土地理院に提出した境界証明書により「境界線は相互の同意で成立した」などと反論し、全面的に争ってきた。

 スキー場の固定資産税はかつて、運営会社がある湯沢町が大部分を徴収していたが、市内施設の課税権を主張した十日町市に一部を認めた経緯がある。

 取材に対し、町は「30年にわたる問題に決着をつけたい」とし、課税権目的の訴訟ではないと説明するが、市は「今回の司法判断で現在の境界線のまま画定すれば、ガーラの市内施設すべての課税権を主張できる」と、税収増につながると期待している。

(2023/6/3 読売新聞Web)