新潟県の湯沢町と十日町市の間で30年続く境界線問題。協議が続けられてきたが、決着がつかず今回、裁判となった。争われている境界線の場所は…そして住民たちの受け止めを取材した。 「ガーラ湯沢スキー場」のゲレンデが広がる高津倉山。 この山頂を起点にした境界線をめぐって湯沢町が十日町市を相手取り提訴する事態になった。 湯沢町の田村正幸町長「今回の裁判によって30年なかなか決まらなかったことをここで成し遂げたいと思っている」と述べた。 問題となっているのは2つの境界線だ。 高津倉山から北東にのびる約1.5キロ。もうひとつがその反対、南西にのびる約5キロの区間だ。 湯沢町は明治時代の資料などから1.5キロについて「誤っている」と主張。湯沢町が広くなるよう西側に修正するよう求めている。 修正されれば、「ガーラ湯沢スキー場」の一部リフトや駅舎の所在地が十日町市から湯沢町となる。そのため固定資産税の課税権が湯沢町にあることの確認も求めている。 関係者によると固定資産税は年間約100万円だという。 もう一つの境界線、高津倉山から南西にのびる5キロ。この境界線が十日町市との間でまだ未定のため確定するよう求めている。 境界線をめぐって湯沢町と十日町市は30年以上にわたって協議してきたがまとまらず、湯沢町がことし4月に提訴に踏み切った。 湯沢町の田村町長「30年なかなかお互いの意見あるいは主張が食い違って決定をしてこなかった。この後に禍根を残さないためにも、司法の手によって決めていただくことが一番いいと思っています」と提訴理由を述べた。 境界線をめぐる異例の訴訟に双方の住民は… 湯沢町の住民は「境界線あるなしで私たちの生活が直接変わるわけではないので。“ああ、そうなんですね”と受け止めるしかない」と話した。 十日町市の住民は「街中のこういうところだったら境界線というのはけっこう大きいと思うんですけど山とか森とかそういうところで境界線を争ってるんでしょ。そこはなかなか難しいところがあると思います」と話した。 27日に開かれた第1回口頭弁論。十日町市は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。 市の担当者は取材に対し「長年の課題に適正な判断が下ることを望みます。境界が確定することによりお互いの連携を深めていきたい」とコメントしている。 境界線をめぐって法廷の場で争うことになった湯沢町と十日町市。どのように決着するのか…次の裁判は9月5日に予定されている。
(2020/8/27 TeNYテレビ新潟)