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国道工事で宅地造成費用を不正捻出、地権者が「補償足りない」と訴え発覚

 国土交通省北海道開発局釧路開発建設部が2017年度から19年度にかけて、道路用地の元地権者の要求に応じて本来は補償の対象ではない移転先の宅地の造成費用を不正に支払っていたことが分かった。道路工事の盛り土量を水増しして費用を賄っていた。

 元地権者が宅地の建物周辺の舗装など、さらなる補償を要求して釧路簡易裁判所に国を相手取った民事調停を申し立てたことで不正が発覚した。北海道開発局が22年12月14日に発表した。

 不正があったのは、24年度に開通予定の北海道横断自動車道阿寒インターチェンジ(IC)―釧路西IC間のうち釧路市内を通る区間で発注した3件の道路工事。20年3月に完成している。

用地取得で不正が発覚した北海道横断自動車道の建設中区間(出所:国土交通省北海道開発局)
用地取得で不正が発覚した北海道横断自動車道の建設中区間(出所:国土交通省北海道開発局
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 釧路開発建設部が元地権者の土地の一部を道路用地として買い取った際に、その土地にあった建物を建て替える場所の造成費用を負担した。

 北海道開発局では用地を買収する際、金銭補償として用地にある建物の現在価格と解体費用を支払っている。だが、建て替えや移転先の造成の費用は補償の範囲外としている。

 北海道開発局は不正に関わった職員の人数や道路工事に付け替えた金額について調査中としている。同局は22年12月14日、弁護士など第三者による調査委員会を設置した。

(2022/12/21 日経XTECH)