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空家法施行から6年、全国の市区町村の対応は?

5日、国土交通省は、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」の施行状況などに関する調査結果を発表した。

空家法は、倒壊の危険がある、衛生上有害であるなど、適切な管理が行われていない空き家が地域住民の生活環境に深刻な影響を与えているとして、2014年に施行された法律である。環境の保全や空き家の活用を推進するため、国の基本方針にしたがって、市区町村が必要な措置を講ずることが定められている。

今回国土交通省が発表したのは、全国の市区町村を対象として各自治体の施行状況を調べた結果だ。

空家等対策計画と法定協議会

国は、空家などに対して効果的な対策を実行するために、市区町村に対し「空家等対策計画」の策定を推奨している。これは、全国の1741市区町村のうち、77%に当たる1332市区町村で策定された。まだ策定していない市区町村の中で、「策定予定あり」と回答したのは273市区町村だった。一方で、「策定予定なし」と回答した市区町村は全体の7%にあたる136市区町村だった。

また、市区町村は、空家等対策計画の作成・変更に関する協議のために、協議会を組織することができる。この協議会は、全体の52%にあたる907市町村で設置された。

空家法に基づく措置

空家法が施行された2014年から2020年度末までの6年間で、空家法に基づいて講じられた措置は、2万7322件に及んだ。最も多かった措置は「助言・指導」で、2万4888件だった。次に、「勧告」1868件、「命令」215件と続いた。

空き家の所有者が度々の勧告や命令に従わない場合は、行政が建物の状況を改善する。これは「行政代執行」と呼ばれ、全国で92件に及んだ。また、所有者が確認できない場合、行政が直接措置を行う「略式代執行」は、259件に及んだ。

これらの措置や対策によって、空家法が施行された2014年から2020年度末までに、11万2435件の空き家に対して、除却や修繕、改修による利活用が実施された。
(2021/8/27 楽待)