2020年に約82万人いた大工や左官などの住宅の建設に関わる職人(住宅建設技能者)が、40年には約51万人にまで減る――。野村総合研究所が23年6月22日に発表した最新の予測値は、供給力不足が住宅市場をむしばむ様子を浮き彫りにしている。
総務省の国勢調査によると、20年の住宅建設技能者で多くを占める世代は45~49歳や65~69歳だった。
野村総研の予測では、これらの世代の多くが40年までに高齢化で引退する。長時間労働や給与水準の低さなどが原因で若年層の入職者も減るため、住宅建設技能者数は右肩下がりで推移するという。
特に、かつては「子どもがなりたい職業」の定番だった大工は高齢化が進んでおり、減少幅が大きそうだ。野村総研が18年に予測した20年の大工の人数と総務省の国勢調査における20年の実績値とを比べると、若い世代が予測を上回って減っていた。最新の予測では、20年の約30万人から40年の約13万人へと、20年間で半減以下になる恐れがあると見積もった。