空き家の発生を抑えて活用を促す空き家対策特別措置法などの改正案が7日の参院本会議で可決、成立した。窓や壁の一部が壊れるなど管理状態が悪い空き家について税優用地には固定資産税を減額する特例がある。現行制度では倒壊する危険がある「特定空き家」について改善勧告に従わない場合、特例から除くことができる。
法改正ではその予備軍となる「管理不全空き家」を除外対象に加える。空き家が放置される前に所有者に適切な管理を求める。
市区町村から勧告を受けて従わなかった場合、住宅用地の固定資産税を最大6分の1に減額する措置を解除する。早めに建物の解体や処分をしてもらい、防災や衛生面などで周囲に悪影響が及ぶことを防ぐ。
空き家の活用に向けて、市区町村が中心市街地や観光地などを「活用促進区域」に定める制度を設ける。土地の用途変更や建て替えをしやすくする。例えば住宅に用途が限られた区域でも、店舗やカフェなどに転用できるようにする。
賃貸や売却用などを除いた居住目的のない空き家数は2018年時点で349万戸で過去20年間で1.9倍に増えた。対策を強化しなければ2030年には470万戸に膨らむ見通しだ。
(2023/6/7 日本経済新聞)