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固定資産税の特例巡る与党協議が大詰め、自民は打ち切り主張

 増税となる場合に2020年度と同額に据え置く固定資産税の特例措置を巡り、自民、公明両党の協議が大詰めを迎えている。企業業績の回復を受けて21年度限りでコロナ禍の特例を打ち切りたい自民党と、打ち切ると最大年1100億円の負担増になるとして、延長や別の負担軽減策を求める公明党の攻防が続いている。

 10日の22年度与党税制改正大綱の策定に向け、両党の税制調査会(税調)幹部は3日夕に協議したが、考えの違いは埋まらなかった。自民党税調の宮沢洋一会長と公明党税調の西田実仁会長は来夏の参院選も念頭に調整しているとみられる。

 固定資産税は、住宅地や商業地などの土地・建物にかかる。時価に相当し、税額の根拠となる評価額を3年に1度見直している。21年度課税分が該当するが、政府はコロナ禍に配慮し、土地にかかる固定資産税が20年度に比べ増税になる場合、1年限定の特例で20年度と同額に据え置いた。

 自民党側は2日の会合で、特例を予定通り打ち切るべきだとする考えをまとめた。好業績企業の負担まで一律に軽減する必要はないとしており、宮沢氏は「(業績が厳しい企業には補助金など)歳出で手当てする方がピンポイントで救済できる」と述べている。固定資産税は市町村の税収の4割を占める基幹税となっており、コロナ禍で税収確保に苦慮する全国の自治体から打ち切りを求める声が相次ぐ。

 これに対し公明党側は、景気は回復途上で中小企業や宿泊業などの業績は依然厳しいとして、「延長も含めた対応が必要だ」(西田氏)という立場だ。総務省の試算では、22年度に本来の水準に戻すと、企業や個人の負担が最大1100億円増えるという。オミクロン株によって景気の先行きに警戒感が高まっていることに配慮すべきだと主張している。経済界からも負担軽減を求める声が上がっている。

(2021/12/4 読売新聞)