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熱海市土石流災害を受け、クラフトバンクが現地の支援決断

【写真提供=朝日新聞社】多くの家屋が倒壊した現場で捜索する警察官や自衛隊員ら=静岡県熱海市

静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で発生した大規模な土石流災害から6日目。自衛隊や警察、消防による不明者の救出作業やがれきの除去作業、被災者支援が続いている。県や市の発表によると、7月8日までに、9人の死亡を確認した。安否不明者は現在22人。全壊や一部崩壊、浸水などを含む被害棟数は131棟に上った。懸命の捜索活動が続く中、大量の土砂やがれきが住宅街までなだれ込んでいるため、復旧までに長期化が懸念されている。

こうした状況をうけて、建設工事の受発注プラットフォームを運営するクラフトバンク(東京都中央区、韓英志社長)は7月8日、同社サイトに「復旧支援特設ページ」を臨時で開設する方針を決めた。早ければ、きょうの午後8時過ぎにも公開する。

被災地域で復旧支援に取り組む地域工務店や地場ゼネコンを対象に、同プラットフォームに登録する、隣県の神奈川、山梨、長野、愛知の専門工事会社や職人を、同特設ページを介して直接紹介するシステムを構築。被災地域以外から、多数の職人を現地に紹介することで、早期の復旧を支援したい考えだ。

現在、同プラットフォームには、同4県で約1600社、職人約4220人、約40工種区分が登録しており、主にここから紹介する見込みだという。同社は災害特別対応として、専門窓口を社内に設置した。専任担当者が、被災地域で職人の支援を希望する工務店などからヒアリングを行い、そのニーズに合った事業者や職人を紹介する仕組み。多様な職種の専門工事会社や職人がいるため、あらゆる需要の復旧工事や作業に対応できる。

同社社長の韓英志さんは「一日も早い復旧を実現するには先手で準備することが重要だ。隣県から職人を集め、実際に現地の工務店や建設会社が、災害復旧に向けた差配をするまでに時間を要することを見込み、このタイミングで実施することを決めた」とし、「国内で2万社、10万以上の職人ネットワークを保有するプラットフォーマーとして、被災地域のためにやれることを尽くす」と強調した。

同社は今年4月に分社化し、プラットフォーム事業部門として独立。内装工事部門は旧社名のユニオンテック(東京都新宿区、大川祐介社長)に戻し事業を継続している。旧社時代に、2019年の台風15号で甚大な被害を受けた千葉県富津市で、同年9月下旬から11月上旬にかけて、同プラットフォームに登録する専門工事会社や職人を現地に派遣し、緊急を要する屋根の応急復旧(ブルーシート養生)工事などの作業を実施している。