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スマホをかざすだけで3次元測量、小規模現場でも手軽にICT施工が可能に

ITサービスを提供するオプティムは松尾建設(佐賀市)と共同で、スマートフォンタブレットを測量したい対象物にかざすだけで高精度な3次元データを作成するアプリ「OPTiM Geo Scan」(オプティム・ジオ・スキャン)を開発した。ドローンやレーザースキャナーによる3次元測量を外注した場合と比べて、費用を80%以上削減できる。

スキャンした対象物をタブレットやスマートフォンで確認できる(資料:オプティム)
スキャンした対象物をタブレットスマートフォンで確認できる(資料:オプティム)
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 アプリを使うには、3次元センサーのLiDAR(ライダー)を搭載したタブレット端末「iPad Pro」の20年モデルか、スマホの「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」が必要だ。その他、測量したい位置情報を取得するためGNSS(衛星測位システムの総称)レシーバーを使う。

 測量する人に専門的な知識は必要ない。スマホタブレットを対象物にかざしながら、周囲を歩いてライダーでスキャンするだけでよい。スキャンする際には小型のレシーバーを持ち運ぶ。レシーバーを任意の場所に設置してスマホなどで捉えると、正確な座標を取得できる。測量の計測誤差を50mm以下に抑えられる。

スマートフォンなどを測量したい対象物にかざしながらスキャンする(資料:オプティム)
スマートフォンなどを測量したい対象物にかざしながらスキャンする(資料:オプティム)
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 アプリの利用を想定するのは、ドローンやレーザースキャナーの測量の主戦場ではない小規模な現場だ。

 オプティムビジネス統括本部の坂田泰章ゼネラル・マネージャーは次のように話す。「施工面積1000m2以内の小さな現場が、全国の建設現場の大半を占める。大規模な現場でICT化が進む一方、小規模な現場はドローンやレーザースキャナーの導入が遅れている。操作のスキルが必要で導入費用も高く、負担が大きいからだ」

(2021/6/4 日経XTECH)