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ミリ単位の地図データ開放 法務省、民間に無償で 農業IT化・災害復旧に活用

法務省は月内にも不動産登記の地図データを民間企業などに無償で提供を始める。正確に把握するのが難しかった土地の区画情報を数ミリメートル単位で把握できるようになる。ドローンを使った農業のIT(情報技術)化や災害時の家屋復旧などへの活用を想定する。

スマートフォンの地図アプリは緯度や経度などの情報が基盤となっている。日常生活で建物などの位置を調べるには支障がないものの、土地の境界は正確に示せない場合が多い。

法務省が活用するのは、不動産登記の際に土地の場所や形をわかりやすく示すための地図だ。測量機器を使って座標を定めており、数ミリメートル単位の位置情報を電子データで表すことができる。

これまで法務省の地図を得るには法務局で写しを交付してもらうか、登記情報提供のサイトからPDFファイルをダウンロードするかしか手段がなかった。民間企業などから電子データの開放を求める声があがっていた。

地図データは農業などへの活用を見込む。農地の区画を正確に示すことができるため、自動運転トラクターやドローンに読み込ませ無人での耕作や農薬散布に生かせる。

災害で土地の区切りが不明確になってしまった場合でもデータに基づいて正しい位置を割り出し、迅速な住宅の再建につなげることが可能だ。

産官学が参加し地理情報の基盤をつくる「G空間情報センター」を通じて提供する。企業や個人が同センターに申請し、ネット上で取得する段取りだ。座標に基づく正確な地図データは2022年4月時点で全国のおよそ6割の土地に広がる。

(2023/1/16 日本経済新聞