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山中湖の別荘ピンチ 山梨県、富士急に貸した県有地「契約無効」

山梨県富士急行に貸している山中湖村の県有地について、県が4月以降の賃料改定交渉を拒否すると富士急行に通知したことが分かった。賃料が不当に安いとする住民訴訟で県が「賃貸借契約は違法無効」としているのが理由。適正な賃料で新たな契約を結ぶ場合は手続きに応じるとしている。県有地では富士急行が別荘約3300区画を転貸している。

 県の通知は代理人弁護士を通じて17日付で送られ、18日に富士急行に届いた。現在の賃貸借契約は平成29年に結ばれ、今年4月に賃料改定を迎える。県から改定に関する連絡がないため、富士急行が県に伺い書を出していた。

 通知は現在の契約について、適正な対価でなければ公共財産を貸し付けてはならないと定めた地方自治法に違反していると指摘。違法無効のため、富士急行とは「ご相談に応じることができない状況となり得ます」と、交渉相手ではなくなると表明している。

 値上げに応じる場合は「山梨県はいかなる局面と段階にあっても解決と合意に向け、いつでも劈頭(へきとう)第一に立ち、しっかりとご相談させていただきたいと考えております」としている。

 通知はまた、これらの内容を説明したいとして、全ての転貸先の連絡先を今月中に提出するよう要求。別荘のオーナーたちと個別に契約を結び直すことも辞さない姿勢を示している。

 通知について、富士急行は18日、「到底受け入れられるものではない」とした上で「県との主張の違いは明白になったと考えられることから、県に対して法的手続きを進める」とのコメントを出した。

(2021/2/19 産経新聞