新潟県湯沢町は24日、県に調停を申請した十日町市(旧中里村)との境界未定問題で、県から「調停には適さない」との通知を受けたと明らかにした。町議会全員協議会で報告された。通知を受けて町は同市を相手取り、境界画定を求めて新潟地裁に提訴する方針を示した。
提訴する時期は未定。県などによると、訴訟に持ち込まれるケースは全国でも異例とみられる。
境界未定区間は、高石山と高津倉山を結ぶ直線距離で約5キロ。さらに湯沢町は北側に引かれている約1・5キロについて「過去の資料に照らすと、既存の境界線は誤っている」として、修正を主張している。
これまでの両市町の協議では、境界未定区間の線引きについては一致している。十日町市側は、修正を求められた区間は「既に湯沢町などと合意がなされている」とし、議論は平行線をたどっていた。
湯沢町は5月に調停を申請し、県は現地確認や両市町に対する聞き取りをした。だが「双方の主張が強硬で、調停で妥結する見込みはない。いずれは司法的手段に持ち込まれることが予想される」(県市町村課)とし、湯沢町に5日付で「調停には適さない」と通知した。
湯沢町は訴訟で、境界未定区間の画定と既存境界線の修正を求める方針。町総務部は「自治体の基礎となる境界が定まっていない点を課題と考えている。画定に向けて残る手段は裁判しかない」と話した。
十日町市総務課は「これまでと同様に、地形や水系といった条件や、既存の境界線を確認した経過などを裁判で主張する」としている。
(2019/7/25 新潟日報)