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売買契約完了で双方に“奨励金” 兵庫・洲本「空き家バンク」事業に新制度

 兵庫県洲本市は4月から、空き家所有者と、島外の移住希望者をつなぐ「空き家バンク」事業で新制度を始めた。空き家の売買契約が完了すると、所有者に3万円、仲介業者に2万円の「奨励金」を出す。これまで移住者向けの支援制度が多かったが、所有者向けに拡充することで、バンクへの登録を促す。淡路、南あわじ市は所有者向けの奨励金を設けておらず、島内初の試みとなる。(上田勇紀)

 洲本市は2013年度から空き家バンク事業を開始。空き家所有者が市に登録し、市のホームページで紹介。不動産業者が仲介し、島外の移住希望者とマッチングする。今年3月末までに35件の登録があり、そのうち売買、賃貸を合わせて20件で契約が成立した。海が見える物件などが人気を集めているという。

 ただ、市の調査では、市内には約2千件の空き家が存在する。島外に住まいを移し、既に親が亡くなって空き家になっているケースなどがあり、市への問い合わせは多い。だが、「所有者全員の賛同が得られない」「先祖代々受け継がれた家を売るのは抵抗がある」などを理由に、登録に至らないことも多い。

 少しでも登録を増やそうと、市は4月から「空き家バンク活用促進奨励金」を新設。売買手続き完了時に空き家の所有者に3万円、仲介業者に2万円を出す。このほか、購入者向けに、改修などで対象経費の3分の1を補助する支援策は継続する。洲本市のホームページから専用サイトを見ることができる。

 市内外の希望者と空き家所有者をマッチングする淡路市では、3月末までに36件の登録があり、うち22件で契約が成立。南あわじ市も同様で3月末までに43件登録があり、うち24件で成立した。いずれも補助制度があるが、空き家所有者向けの奨励金は設けていないという。
(2019/4/13  神戸新聞NEXT)