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ドローンの操縦に新資格、国交省が試験内容や教則を公表

 ドローンの運用ルールなどを定めた改正航空法の施行を2022年12月に控え、国土交通省は操縦者の技能を証明する新たな資格の試験内容や講習に用いる教則の具体案を示した。22年7月25日にパブリックコメントの受け付けを開始。年度内に初回の試験の実施を予定する。

ドローンの操縦者の技能を証明する試験制度の概要。ドローンの安全運航に必要な知識や操縦技術の有無を確かめる。レベル4の飛行に必要な「一等無人航空機操縦士」と、飛行ごとに必要な許認可手続きを簡略化できる「二等無人航空機操縦士」の2種類の資格を設ける(資料:国土交通省)
ドローンの操縦者の技能を証明する試験制度の概要。ドローンの安全運航に必要な知識や操縦技術の有無を確かめる。レベル4の飛行に必要な「一等無人航空機操縦士」と、飛行ごとに必要な許認可手続きを簡略化できる「二等無人航空機操縦士」の2種類の資格を設ける(資料:国土交通省
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 改正航空法は、ドローンの操縦者の技能や機体の性能を認証する仕組みを新設し、飛行の安全性を担保するのが狙いだ。市街地など第三者のいる場所の上空を補助者なし・目視外で飛ばす「レベル4」の実現に向けて整備した。認証制度を生かし、人口集中地区(DID)など特殊な条件下の飛行で必要な国交省への許認可手続きを簡略化する。

 操縦者の技能を示す新資格が「無人航空機操縦士」だ。技能レベルによって一等と二等に分かれる。いずれも有効期間は3年。試験は学科と実地から成る。

 国交省が示した案によると、一等と二等ともに試験内容は以下の通り。学科試験では主に(1)航空法などの規則(2)ドローンの飛行原理や特徴(3)点検や保険といった運航体制(4)気象情報などに基づくリスク管理――の4項目に関する理解度を確かめる。試験内容に沿った71ページに及ぶ教則の案やサンプル問題も公表した。

 実地試験は、飛行計画を作る机上試験、機体点検に関する口述試験、実際に機体を操縦する実技試験の3つから成る。実技試験では、空中で同一地点にとどまる「ホバリング」や緊急着陸の技術を確認する。

 国交省は、一連の試験の対策を講じるための「登録講習機関」の認定も進める。既存のドローンスクールなどから申請を受け、講師の経験や組織体制を審査して登録する。無人航空機操縦士の試験の受験者が登録講習機関で講習を受けて修了審査に合格した場合、実地試験を省略できる。資格の更新の際に講習を受ける場所にもなる。

 国交省は、登録講習機関の申請要領の案を公開。科目ごとの講習時間の基準などを提示した。22年9月から申請を受け付ける。

(2022/8/3 日経XTECH)