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所有者を特定できない場合は新管理者が売却可能に 法務省が骨子案

 所有者不明土地問題の一因とされる、所有者情報が正しく記載されていない登記(変則型登記)の解消に向け、法務省は11日、法務局の登記官に所有者特定のための調査権限を与える▽特定できない場合には新たな管理者が売却できるようにする――ことなどを柱とした新制度の骨子案を公表した。パブリックコメント(意見公募、31日まで)を経て、関連法案を通常国会に提出する。

 

 変則型登記は集落で共同使用していたような土地に多いとみられる。法務省によると、本来は住所と名前が記載される所有者欄に(1)住所がない(2)集落名しか書かれていない(3)代表者名しかない――といったケースがある。旧土地台帳制度時代の記載がそのまま転記されたことによって発生し、全国の所有者不明土地の5%程度を占めると推計される。

 骨子案などによると、所有者の許可がなくても、登記官が戸籍や固定資産課税台帳を閲覧したり、関係者らへの聞き取りを行ったりして所有者が誰かを調べられるようにし、調査結果を踏まえて登記を改められるようにする。土地家屋調査士など専門的な知識や経験がある人を「探索委員」に任命し、登記官と同様の調査権限を与える新しい制度も創設する。

 調査しても特定できない可能性もあるため、所有者に代わる新たな管理者が管理や売却をできるようにする制度も設ける。管理者は、その土地の購入を希望する事業主体などからの申し立てを受けた裁判所が選任する。

(2019/1/11 毎日新聞