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不動産に「履歴書」導入 国交省、中古住宅の流通促進

 国土交通省は不動産物件に公的なIDを付与し、「履歴書」のように取引実績を集約する仕組みをつくる。対象物件の過去の成約価格の推移やリフォーム実績の有無などを一覧できるようにする。市場の透明性を高めることで中古住宅の流通を促す。物件単位の細かな情報を蓄積することで、不動産統計を高度化する狙いもある。

  宅地建物取引業者が使う「REINS(レインズ)」と呼ばれる公的な情報仲介サービスの登録物件にIDを付与する。IDによって同一物件のものだと認識された過去の取引履歴を集約する。

 2019年度に有識者による検討会を立ち上げ、同年度中に実証実験を始める予定だ。将来的にはリフォーム実績など民間団体の持つ住宅関連情報との連携も視野に入れる。

 レインズには17年度に約160万件の新規売却物件が登録されている。不動産物件に関する詳細な取引履歴を把握するには、登記簿をたどったり以前の所有者に直接問い合わせたりするなど膨大な手間がかかる。不動産IDが普及すれば、物件単位の価格推移を容易に把握できる。地域や条件を限定するなど、より詳細な不動産市況の推移を統計化しやすくなる。

 物件の売り主が仲介業者を1社だけに絞った場合、成約した日付や成約価格を仲介業者がレインズに登録することが義務付けられている。成約価格が蓄積されるため、IDでひも付けすれば市場の実勢を反映した質の高い情報を集めることができる。

(2018/9/7 日本経済新聞