トリナ・ソーラー・ジャパンは、開口部材や外装材に利用できる両面ガラスモジュール「DUOMAX M Plus」を販売している。

 封止シート(EVA)が透明なタイプは光透過性があり、住宅の開口部やトップライト、カーポート、農地の屋根など、発電セルの隙間から日射取得しながら発電する建材一体型太陽電池(BIPV)としての採用例が増えている。建物の開口部に採用した場合、日射量が多い時期は、セル部分の日射遮蔽による省エネ効果も得られる。

 国は2014年4月11日に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)、新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指すこととした。

 ただ、都市部の高層建築や狭小住宅などでは、太陽光発電パネルを設置する屋根面は、延べ床面積に対する割合が小さいために発電量が限られ、ZEBやZEHの達成が難しかった。

 BIPVは、屋上以外の建物壁面などにも設置できる。外装材をBIPVに代替することで、建設コストの削減も可能となる。

 「DUOMAX M Plus」は、単結晶シリコン太陽電池セルを厚さ2.5mmの高耐火性倍強度ガラスで挟み込んでいる。この構造によって、劣化の原因となる湿気や酸、アルカリなどの侵入を抑え、モジュールの耐久性を向上する。単結晶は多結晶よりも出力や変換効率が高い。

 フレームレスで板ガラスのように扱えることが特長。耐火性に優れ、国際安全規格(IEC61730、UL1703)の火災テストでクラスAの認証を取得するなど、BIPVに適した特質を持つ。出力範囲は280~310W、変換効率は18.8%。フレーム付きの両面ガラスモジュールも用意している。

(2018/4/23 日経XTECH)