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建築文化賞に倉敷「町家サロン」 美観地区の雰囲気との調和評価

 建築文化の発展に寄与した中国地方の建物に贈られる2018年度「中国建築文化賞」(日本建築学会中国支部主催)に、倉敷市美観地区にあるアートとグルメの複合施設・くらしき宵待ちガーデン内の木造建築「くらしき町家サロン」が選ばれた。白壁の町並みや併設する竹林庭園にマッチしたデザインに加え、拠点性の高さが評価された。

 町家サロンは木造2階延べ約180平方メートル。同市の建築家山田曉氏(69)の設計で2015年に完成した。部材にはぬくもりのある地元産のヒノキやマツを中心に採用している。県産果実をふんだんに使うフルーツパーラー、本格イタリア料理店、地元作家の絵画や陶芸を紹介するギャラリーの3店が入居する。

 自生の竹を生かして循環型の小川や散策路を配した庭園や、コンサートなどステージイベントを催せる広場を併設。「倉敷春宵あかり」や「倉敷ジャズストリート」といった美観地区の大型行事の会場としても利用され、ガーデン全体の来場者数は年間約4万人に上る。

 建築学者ら審査員が視察などを経て「美観地区の雰囲気と調和し、文化的要素を多く含む活動を展開している」と高い評価を与えた。

 ガーデンでは、茶室や美術品展示施設、ワインなどが楽しめるバルを備えた「第二の町家サロン」の建築計画も進んでおり、運営する特定目的会社・倉子城(くらしき)文化サロンは「受賞を励みに事業の幅を広げ、地域のにぎわい創出に一層貢献したい」としている。

 同賞は04年度から始まり、15回目。自然環境を生かした美作市の個人宅「上山の家」も同時受賞した。

(2019/8/29 山陽新聞