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庇の設置や断熱改修をやりやすく、国交省が政省令の改正案

 国土交通省は2022年9月30日、建築物省エネ法や建築基準法などを改正する「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」の一部施行に向け、関係する政省令の改正案を公表した。11月ごろに公布し、23年4月1日に施行する予定だ。同省は改正案への意見を22年10月29日まで公募している。

断熱改修で外壁の厚さが増したり、庇(ひさし)を大きく張り出したりすることで建蔽率や容積率の制限に抵触し、 改修が困難になる場合がある(出所:国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成)
断熱改修で外壁の厚さが増したり、庇(ひさし)を大きく張り出したりすることで建蔽率容積率の制限に抵触し、 改修が困難になる場合がある(出所:国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成)
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 建基法施行規則の改正案には、既存ストックの省エネ改修や再生可能エネルギー設備の設置に対する規制緩和などを盛り込む。

 具体的には、住宅などで容積率建蔽率の制限を緩和する。省エネ性能の向上に向けて日射を遮る庇(ひさし)の設置や、断熱性能を高めるための外壁工事、再生可能エネルギー設備の設置工事を実施する建築物が対象で、構造上やむを得ないことが条件だ。従来は、庇を大きく張り出したり、断熱改修によって外壁が厚くなったりする場合に、建蔽率容積率の制限に抵触して改修できない場合があった。

 第1種低層住居専用地域や高度地区などにおいては、高さ制限を緩和する。再生可能エネルギー設備を新たに屋根・屋上に設置する場合などを念頭に置いた。屋根の断熱改修を促したり、高効率の熱源設備などを屋上に設置しやすくしたりする狙いがある。

屋根の断熱改修や屋上への省エネ設備の設置で高さ制限を超えることがあるため、制限を緩和する(出所:国土交通省)
屋根の断熱改修や屋上への省エネ設備の設置で高さ制限を超えることがあるため、制限を緩和する(出所:国土交通省
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(2022/10/25 日経XTECH)