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地籍調査促進へ優先地域設定=新10カ年計画、所有者不明解消目指す―国交省

 国土交通省は23日、土地の境界や面積を明確化する地籍調査を促進するため、早期に着手する「優先実施地域」(約19万平方キロ)を新たに設定する方針を固めた。効率的な調査手法も導入し、調査面積を2020年度からの10年間でこれまでの1.5倍とし、優先実施地域に占める進捗(しんちょく)率を19年度末の79%(約15万平方キロ)から87%(約16.5万平方キロ)に引き上げることを目指す。人口減少により今後増加が見込まれる所有者不明土地の解消につなげたい考えだ。

 政府は、こうした目標を盛り込んだ新10カ年計画を近く閣議決定する。併せて、3月に成立した改正土地基本法に基づく「土地基本方針」も決定。土地政策に政府一体で取り組む姿勢を打ち出す。

 地籍調査の対象地域は約29万平方キロ。政府は19年度までの10カ年計画で2.1万平方キロの調査完了を目標に掲げたが、実際の調査面積は半分の1万平方キロにとどまる。

 ただ、対象地域には、取引される可能性が低い国有地なども含まれる。このため、新10カ年計画では、こうした地域を除外し、境界画定の必要性が高い地域を優先実施地域に指定。その上で、過去10年間の実績の1.5倍に当たる1.5万平方キロを調査する目標を掲げる。

 調査を効率的に進めるため、所有者の現場立ち会いルールの緩和や、所有者の追跡を目的とした固定資産課税台帳の活用といった新ルールも打ち出す。

 新10カ年計画とともに閣議決定する基本方針では、地籍調査の円滑化のほか、活用されていない土地の税制措置を通じた利用・管理の促進、相続登記の義務化や土地所有権の放棄を柱とした民法などの改正を目指す方針を明記する。 
(2020/5/24 時事通信