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危険な空き家、所有者名を公表 京都・長岡京市が条例化へ

 京都府長岡京市は20日、空き家の適正管理や活用を進めるため、2018年度中の制定を目指す「空き家対策条例(仮称)」で、倒壊危険がある「特定空家」や、これに準じる「管理不全空き家」について、市の是正勧告に従わない所有者の氏名や住所を公表する内容を盛り込む方針を示した。
 市によると、管理不行き届きの所有者情報を公表する条例は京都市大津市などが制定済み。長岡京市都市計画課は、狙いを「危険を周辺住民に知らせるとともに、制裁的な面を持たせて管理義務を果たさない所有者への抑止力とする」と説明している。
 国は特別措置法で、著しく危険な空き家などを「特定空家」と定義。状況が改善しない場合は取り壊しなどの行政代執行を可能とした。加えて市は条例に基づき、雑草や樹木の越境▽屋根や外壁の破損▽ねずみや悪臭の発生-などを条件に「管理不全空き家」を独自に決める。
 双方の空き家で、是正に向けた助言・指導や勧告の手続きがあり、条例の素案では、正当な理由なく勧告内容を実施しない場合、所有者の氏名や住所、空き家の所在地など、条例施行規則で定める事項を市ホームページ上で公表する、とした。公表前に所有者が意見陳述する機会をつくる。
 市は20日、空家等対策協議会で素案を提示。委員から「個人情報保護との関係で慎重にする必要があるが、予防策として有効」などの声が上がり、反対意見は出なかった。
 条例の素案は25条で構成。空き家対策における市の責務や市民の役割などを定める。市は条例案を9月定例市議会に提出する計画。

(2018/2/21 京都新聞